栽培方法

水田の除草

ここ3年化学系の除草剤を使用しないのに、田植えから稲刈りまで田んぼに稲の生育を害する雑草の生育が見られない田んぼがあります。


平成27年には、田植えから真夏の開花時期にも、収穫時期の稲株には雑草が生長しているのをみかけませんでした。


15年ほど水田の除草対策を試みてみましたが、ことごとく成果があがりませんでした。
こんなことを試みてみました。2サイクル・エンジン搭載の除草機を使ったり、手動で取ったり、ロータリー耕起でトロトロ層をかいたり、EM微生物資材を流し込んだりしましたが、どれも成功した体験談が他人ごとにおもえ除草剤に頼らなければいけませんでした。


それが、この地域に生息しはじめたジャンボタニシが雑草を食べつくしてくれることで、不思議なくらい楽に除草問題を解決してくれたのです。5年間の経験と、すでに30年前に福岡県で試みられた「稲守貝・無除草剤農法」を参考にし、害虫として嫌われているジャンボ・タニシ活用法をレポートします。安全性・労働力削減・環境保全に役立て頂けるかどうかわかりませんが、掲載いたします。


山の土を持ってきたいのですが、なかなか手に入りません。周囲は盆地で山間部なのに山の土が手にはいりません。


3年前、県境(けんざかい)の伊佐市から業者が運んでくれたのですが距離が遠いので、いくら頼んでも一向に運こんでくれませんでした。そこでシラスを使うことをシルバー人材さんが教えてくれたので早速実行してみました。(2~3年時が経ていましたね、笑い)


生コン業者から2トントラック1台分を購入し、2月に5人で田んぼにシラスを広げました。その圃場は、ジャンボ・タニシの被害は皆目ありませんでした。
少し雑草のヒエが発生したものの除草剤不要で除草成功!!信じられない光景が10アールに起きていました。

収穫後11月の雨上がり凹凸の田んぼ(2018年11月中旬)

シラスを整地に使用:三温糖のようなシラスを2トン購入しました。鹿児島の火山灰が堆積した土です、作業に適しています。


一輪車では運ぶことにしました。    11月25日午後2人で2時間かかりました。まだ足りないようです。作業中、近所の子供たち7人がこの田んぼで草野球を楽しんでいました。翌日雨、シラスが広げなれなかった窪地に水たまりができています。

                 代掻きからが本番です。その都度、公開予定です。ブログに記事あります。

ブログに水田のジャンボタニシを利用して、稲の生育を阻害する雑草の除草対策について4年ほど記事を上げていませんでした。この期間に栽培方法がよりわかってきました。

私の圃場の近くにもジャンボタニシ除草を実施している栽培者も現れました。

わたしの水田隣の水田が、田植えを終わって1週間過ぎた頃、その田んぼの耕作者に「この状態は、除草剤を散布しなくても、除草ができとるよ!」と説明するのですが、「そうな」と返事が返ってくるので、説明したことを試してくれるかな(ただ今の状況を保つだけなのです)後日その田んぼには除草剤が散布してあります。

私の田んぼを(ジャンボタニシで除草している)見ても納得してくれないようです。隣の田んぼの方が実を言うと、私の田んぼよりジャンボタニシで除草するのに条件が整っているとみうけられます。      その条件に二つほどあります。①圃場の整地がよくできている。②常に水を満たすことができる。

田植えの準備の手順、あら起こし(耕起)→入水→代掻き→田植え この間に土の中で仮眠していたミリ単位のタニシが仮眠から目覚め、発芽した雑草を食べ始めるからです。 

上の写真にある水田のジャンボタニシは、水を入れてもタニシがすぐには活動しません。それで1週間ほど代掻きまでに活動するまで水を貯めておくことにしました。(この方法は、観察する余地があります。)

活動し出すとしらさぎ、ゴイサギ、カラスの餌になってしまうからです。

 

   ジャンボタニシ・稚貝

ゴイサギ

除草を成功させるには1㎡あたり1~2個のタニシがいないと(1,000㎡では1,000個になりますね?)雑草が生えることになります?初夏なのでタニシの繁殖力はまだ旺盛でありませんので、活動を促してやるしかありません。そのために、貯水しておくと仮眠から覚め活動しはじめます。


稲苗の育苗も水田の1コーナーを使いプール状態にして育苗することで、茎の太い苗が育ちます。根張りもよく太い苗なのでジャンボタニシに食べられる確率が低いようです。

 

プール育苗

 

除草成功

雑草で始めに生えてくるのがヒエです、化学薬剤で除草する場合は3日~1週間以内に除草剤を散布します。上記の写真のようにできると、ジャンボタニシ除草をやってこられた人達の体験談が本当だったんだということが分りました。そしてこの方法が一番簡単だと言っておられたことが体験から伺えます。

ジャンボタニシの卵

水田で作業をしているとピンク色の花は何の花ですかと、散歩中の人がたずねてきます。稲の茎とか畦(あぜ)の草にピンクが目に止まります。梅雨のシーズンを終え真夏となるとこの光景は目立ちます。

ジャンボタニシは稲の生育を阻害し、田んぼの害虫として知られていますので、これを使って除草をしている農業者はわたしの近くにはいませんでした。農業者は稲株がなくなるので、せっせと取っている人もいます、だから伝えるのは困難な作業です。